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2021.03.10

さいしこみしょうゆ2

左はさいしこみしょうゆ、右はこいくちしょうゆ

 

生揚を加えた仕込み水

「しょうゆの日本農林規格」での「さいしこみしょうゆ」の定義

しょうゆのうち、大豆にほぼ等量の麦を加えたもの又はこれに米等の穀類を加えたものをしょうゆこうじの原料とし、かつ、もろみは食塩水の代わりに生揚を加えたものを使用するものをいう。

塩水に大豆と小麦で作った麹を仕込むのが「こいくちしょうゆ」。「さいしこみしょうゆ」は生揚を加えた塩水で仕込みを行なう。正金醤油の「さいしこみしょうゆ」は仕込み水の全窒素分を0.85%~0.90%、塩分を17.8%~18.5%としている。(数値に幅があるのは、二回目に仕込む原材料によって期待される最終的な成分が異なること。仕込み時期、熟成期間にも幅があることによる。)一つの桶(こが)に3600リットルの仕込み水なので、生揚を約1900リットル使用する。

その仕込みの条件でのさいしこみ生揚時点での仕上がりは、全窒素が2.2%~2.4%、塩分が14.0%~14.8%となる。香り成分のアルコール分は約2.0%。正金醤油が好ましいと考える「うま味と塩辛さのバランス」、「全体的な味と香りのバランス」を考えるとこの条件になる。

 

さいしこみしょうゆの長所

仕込み水に使う醤油の味、その上に新たな麹を加えて味を重ねていく。香りも元の仕込みのものに重ねられていく。 色も二回目の麹によって、新たにできてくるので赤みが強いものができる。 塩分は二回目の仕込みの際に再調整できるので、低塩分が可能。味が濃厚なものがこいくちと同じ製造工程でできる。

 

さいしこみしょうゆの使い方

単独で使うのは、つけかけ用の醤油としてというのが最も一般的。

旨味が強いことから、肉料理にも使われる。

醤油の旨味と塩分のバランスがこいくちしょうゆとは異なるという利点から、煮物やだし、つゆなどにうすくちしょうゆ、こいくちしょうゆと合わせて使うことができる。

 

醬油屋による違いは大きい

一度成分調整してできるというところが、さいしこみしょうゆの良いところで、その調整の仕方がそれぞれの醤油屋で違いがある。それぞれの醤油屋で普通の生揚でも違いがある上に、その調整の違いが加わるので、最終的な仕上がりも特徴のあるものになる。正金醤油のさいしこみしょうゆはプレーンなものなので、いろんな用途に使いやすい。

容量の大きなものは正金WEBSHOPで販売中。

2021年3月10日