今年は、このような大豆と小麦で仕込みをしました。
良いしょうゆを造るためには良い原料を使うことが重要です。大豆や小麦は様々な種類があり、そのなかでしょうゆ醸造に適したものを選んでいます。
正金醤油は国内産の大豆と小麦を使っています。日本国内でも北から南まで気候が異なりますから、栽培されている品種もたくさんあります。 しょうゆ造りのために、どのような品種、産地を選択して使うのか、正金醤油では次のようなところを大切に考えて選んでいます。
1.良質なたんぱく質を多く含んでいること。
2.高たんぱくを目指して作られた品種であること。
3.安定して調達できる産地であること。
4.作物の出来、不出来があっても困らないように、産地を分散すること。
5.価格が適正であること。
平成22年10月から平成23年3月までに仕込みに使った大豆と小麦を紹介します。これらの大豆と小麦を使った醤油やだしを、製品として出荷し始めるのは、平成23年10月からです。
大豆は左から、平成21年富山県産エンレイ、平成21年鳥取県産サチユタカ、平成21年山口県産サチユタカ、平成21年福岡県産フクユタカ、平成20年佐賀県産フクユタカ、平成21年新潟県産エンレイ。
小麦は左から、平成22年北海道産春よ恋、平成22年北海道産ハルユタカ、平成22年北海道産キタノカオリ、平成22年佐賀県産ニシノカオリ、平成22年福岡県産ミナミノカオリ、平成21年香川県産さぬきの夢2000。
品質評価の一番の目安となるたんぱく質含有率の順位は次の通りでした。
《大豆》
1位,富山県産エンレイ 2位,鳥取県産サチユタカ 3位,山口県産サチユタカ
《小麦》
1位,北海道産春よ恋 2位,北海道産ハルユタカ 3位,北海道産キタノカオリ
大豆は、品種の違いよりも産地(生産者)による違いによって品質が大きく異なっています。また、収穫年の作柄の違いもありますから、品種、産地の優劣をつけることは容易ではありません。
小麦は、北海道産の硬質小麦の品質がよく、他の産地のものとは少々レベルが違っています。昨年の入札で、基準価格を上回ったのが、春よ恋とキタノカオリだけだったというもの当然という感じです。(ハルユタカは入札なしです)九州産の硬質小麦(ミナミノカオリ、ニシノカオリ)は、しょうゆの適性で国内産の中間質小麦を上回ります。昨年の入札価格は安すぎで、醤油屋としてはもっと評価されてもよい品種だと思います。
大豆、小麦とも、使うときに品質の高いものをだけを市場から買うということが出来づらい制度になっています。
と言いますのは、大豆は、平成5年の天候不順による凶作があり、いくらお金を出しても手に入れることができない状況を経験しました。そのような時、国内産大豆を安定的に確保するためには、契約栽培という長期的な調達方法の比率を高めておく必要があります。
また、小麦に関しては播種前契約、つまり、種を播く前に買う契約を結ぶため、収穫された品質を見てから購入ということは日本の制度ではできなくなっています。
従いまして、高品質と思われる品種、産地のものを分散して購入する方法が、高品質、安定した品質のしょうゆ造りには最善と思われます。
正金醤油株式会社
香川県小豆郡小豆島町馬木甲230
Tel 0879-82-0625
Fax 0879-82-5388
平成23年3月8日