2020.06.30
業界技術情報誌「醤油の研究と技術」品評会受賞者紹介記事の原稿
桶仕込醤油の産地、小豆島の賜物
醤油は、戦後、大型化した設備とともに進化していきました。小豆島でも例外ではありませんでしたが、各社様々な事情から今でも多くの桶が醸造で使われています。その間、香川県発酵食品研究所やマルキン醤油さんで桶仕込について研究が重ねられ、小豆島の桶仕込はより進化したものとなっています。今回の受賞はそのような産地としての取り組みの賜物だと思います。
当社は、1920年創業で、国内産大豆、小麦を使用した桶仕込みの醤油と、アミノ酸液やエキス類を使わない「だし」などの特色のある加工品を製造しています。少し価格は高いのですが、いろいろなスーパー、百貨店や宅配会社で.おすすめ品として販売していただいています。
桶仕込の醤油は、熟成期間が長く、その間にいろいろな影響を受けて変化していきます。複雑な変化を、なりゆきに任せるのではなく、小さな変化に一つ一つ対応して、味を積み重ねていくことによって、洗練された仕上がりに至るというのが正金醤油の考え方です。
今回受賞した「天然醸造うすくち生醤油」は、アルコール、糖類、添加物を使用しないスペックで、桶仕込みとしては短い一年前後の若い生揚を膜ろ過し、全窒素分1.55%、塩分17.0%に成分調整しているシンプルな醤油です。発売以来35年になりますが、評判の良い商品の一つです。
正金醤油株式会社
〒761-4426 香川県小豆郡小豆島町馬木甲230